「ナガミヒナゲシ」という花をご存知ですか?きっと皆さんもを街のあちこちで目にしていると思います。
4月~5月ごろに淡い赤色の花を咲かせるケシ科の1年草で、繁殖力が強く関東地方から瀬戸内海沿岸地方を中心に、日本全国へ分布範囲を広げています。道路沿いでよく見かけるのは、車のタイヤや人の靴にくっついて種が移動するためといわれています。
ナガミヒナゲシとは?
原産は地中海沿岸、ケシ科ケシ属の1年草でポピー(ヒナゲシ)と同じケシの仲間です。花言葉は「心の平静」「なぐさめ」「癒し」。
ケシの果実には麻薬の「アヘン」の原料となるものがあるが知られていますが、ナガミヒナゲシにはアヘンの成分は含んでいません。
4~5月頃にオレンジ色の花を咲かせ、果実が細長いことからこの名前がつけられたとされています。英語でも「Long-headed poppy」頭の長いポピーと呼ばれていますが、植物学上の名前はラテン語で「Papaver dubium」パパーウェル・ドゥピウム=「疑わしいポピー」と呼ばれています。
素手で茎を触ったり折ったりすると、手がかぶれるおそれがあります
このキレイでかわいらしい花、実はアルカロイド性の有害物質を持っています。害虫や動物から身を守るための植物毒のため、素手で茎を触ったり折ったりすると、手がかぶれるおそれがあります。
見るだけにして、触らないようにしましょう。
繁殖力がすごい。都会でも多く見られます。
ナガミヒナゲシはケシ科・ケシ属の植物です。地中海沿岸地域の外来種で、日本で最初に発見されたのは1961年東京都世田谷区でした。もともと園芸種として輸入されたものではなく、輸入作物にその種子が混じっていたことから広まったと言われています。
果実にはとても小さな種が一房あたり1000~2000個も入っています。ナガミヒナゲシの種子はケシ科の中でも小さい方なのでより遠くへ広がりやすいのです。生育場所を選ばないため道端に落ちた種子が自動車のタイヤにくっついて運ばれたと推測されています。舗装道路の多い都市部でたくさん見られるのもこれが理由でしょう。
他の植物への影響は?
繁殖力旺盛なナガミヒナゲシが群生することによって他の植物への影響を懸念する声も多くあります。いくつかの自治体ではナガミヒナゲシに対する注意喚起をよびかけています。
その強い生命力によって、そばに生えている草花の光合成を阻害するからです。
さらにナガミヒナゲシの持つアレロパシー活性による影響もあると言われています。
アレロパシーとは、ある植物が作る化学物質が、他の植物・微生物・昆虫・動物などに、直接または間接的になんらかの作用を及ぼす現象のことをいいます。そういった要素があることは認められていますが、その影響力がいかほどのものなのかは、まだはっきりと分かっていません。