ニュース等で報じられているとおり、静岡県の幼稚園で、朝の送迎バスに3歳の園児が置き去りにされ、熱中症により死亡するという痛ましい事故が起きました。
亡くなられたお子様のご冥福をお祈りするとともに、お子様の命を預かる保育施設としての安全なシステム作りの重要性や人的ミスの可能性を改めて考える機会と捉えています。
度重なる園バスでの事故の報道にご不安を感じている方も多くいらっしゃると思います。
保護者の皆様に少しでも安心していただけるように、Knock Knock Preschool が現在行っている安全対策をご紹介いたします。
静岡県の幼稚園の事故について
当然のことではありますが、当園でも送迎時の点呼、送迎後の忘れ物チェックや消毒作業を行っています。報道を見る限り、今回の事故は確認ミスや伝達ミスなどいくつかの要因があると思われます。
しかし、我々が一番注目しているのは、園内にいない生徒を保育スタッフが「きっとお休みだろう」と思ってしまい保護者に連絡をしなかったことです。
報道では、時折、連絡なく欠席する園児がいるためとの弁解がありました。もしかするとその園では、日常的に連絡のない欠席を容認してしまっていたのかもしれません。
事前の欠席連絡
保護者からの連絡もなく、園にいるべき園児がいない状態は決してあってはならないことです。
当園のシステムでは、事前に保護者より欠席の連絡をいただきます。そのため、連絡がなく欠席した生徒がいた場合、スタッフは勝手に欠席だと判断することはせず、必ず本部より保護者へ出欠の確認を致します。
今後も、保護者には事前の欠席連絡をして頂くよう引き続き周知徹底させていただくと共に、園と保護者との連絡体制を大切にし、お子様の安全管理に努めていきたいと思いますのでご理解、ご協力をお願いいたします。
車内の置き去り防止につながる対策
当園の送迎は大勢の生徒を決まった集合場所で車に乗せるのではなく、各生徒の自宅もしくは通っている幼稚園・保育園に迎えに行く個別送迎を行っております。私たちは、生徒の安全を守る為に、車内置き去り防止以外にもいくつかの安全対策を行っております。
以下は、今回、我々の安全対策の再点検をした際に、車内置き去り防止につながる対策として行っている事をご紹介いたします。
1. デイリー・ドライバーズ・ミーティングの実施
送迎サービス開始当初より運転業務が単調で緊張感が欠ける作業とならないよう、その日に運転するドライバー全員が集まり、デイリー・ドライバーズ・ミーテイングを実施しています。
欠席・振替生徒の確認、当日のピックアップミス等がないよう、毎日午後1時に本部スタッフと送迎スタッフ全員でミーティングを行いルート・生徒人数などを確認後に運行を開始いたします。
2. 到着・出発時間の記録管理
乗降する生徒のリストに沿って送迎を行います。乗降時には、「お迎えの時間」と「Knock Knockに到着した時間」を送迎スタッフが記録を取り、生徒一人ひとりの動きを記録しております。
3. シートベルト着脱
目的地到着後は送迎スタッフが生徒のシートベルトを一人づつ外しています(未就学児)。未就学児が自分でシートベルトを外すことは許可しておりません。シートベルトの着脱を生徒自身で行ってしまった場合は注意をしております。
本来の目的は、車内の安全走行・運行の為ですが、乗車した生徒が席から離れない、椅子の下に潜り込まない等の車内置き去り防止につながる対策にも役立っています。
4. 送迎生徒の欠席確認方法
お迎え時に生徒がいない場合、出発時間になりましたら送迎車は出発します。その際の欠席確認は以下の手順で行っております。
5. クラス開始時の出欠確認
スタッフは生徒本人の顔を見て、当日の生徒リストにチェックを入れ、出席の確認をしております。送迎バスの利用がない生徒も同様にチェックし、欠席か遅刻かが不明な場合は、必ず保護者に確認しております。
6. 車の忘れ物チェック・消毒作業
生徒送迎後にドライバーは車の忘れ物のチェックを行います。運転手はその後次の送迎に向かうか、または車内の消毒作業を行っております。
すでに行っている流れとなりますが、車内置き去り防止につながる対策として、今一度ドライバーへ徹底いたします。
その他、送迎の安全対策
公道での生徒への付き添いはスタッフ1名につき生徒2名まで
送迎車はできる限りスクール入口付近に駐停車しています。
車両から校舎までの移動の安全対策として、公道ではスタッフ1名につき最大2名の生徒を、スタッフがスクール入口まで手を引いて一緒に歩きます。
チャイルドロック
車のドアの開閉は送迎ドライバーが安全を確認してから行います。車の内側からはドアが開きません。
チャイルドシート
未就園児はチャイルドシートを使用します。また、シートベルトはドライバーまたは送迎補助スタッフが行います。
交通規則
送迎スタッフには法定速度を含め交通規則の遵守を義務付けています。
車の整備
送迎車の全車両は提携販売店にて3か月定期点検を受けます。また、毎日送迎開始前にドライバーがタイヤのすり減り、ブレーキなど安全運行ができるかの車両チェックをしています。
連れ去り防止
未就園児の送り迎えの際は、ドライバーと保護者の面識の有無にかかわらず、保護者 ID を携帯している方に生徒を引き渡ししております。
ドライバーの適性検査
年1回(送迎に関わるスタッフ全員)は適性検査を受け、自分の運転を見直す機会としています。その結果は本部でも確認し、各ドライバーの適性を確認しています。
運転手への教育(新人研修等)
ドライバーは派遣等の外部への委託ではなく、すべて当社で採用したノックノック専属のドライバーです。
ただ単に運転がうまい、道を良く知っているというだけではノックノックのドライバーにはなれません。子ども達を乗せて運転を行うという責任の重さを十分に理解し、子ども達の安全を最優先できる方を採用しています。
さいごに
上記のように現時点での当園の安全対策をお知らせいたしましたが、安全対策は「生き物」のように常に進化していくものだと考えます。日々の業務の中で危ない場面に出くわした時、ニュースで他の園の事故例を聞いた時、保護者の方々からアドバイスをいただいた時など、その時々で再度システムを見つめ直し改良を重ねることが重要です。
そして何よりも重要なのは、どんなに優れたシステムを構築してても「100%の安全はない」という認識をスタッフ間で共有することです。保育スタッフと言えども人間です。自分も他のスタッフも役職や経験にかかわらずミスをするかもしれないという認識のもと、実際に目で見て確認し、スタッフ間で声がけを行い、保育業務の基本を忘れずに子供達の安全を守っていく必要があります。
当園は英語教育と保育の充実を両立させるために、園内での保育スタッフ数は、国で定められた基準(認可外保育施設指導監督基準)の2倍以上の人数が配置されています。送迎車も各個人の家までお迎えに行くため園児6名~12名が乗れるほどの小さいサイズの車を使用し、中型・大型サイズの車は使用しておりません。よりひとり一人の園児に目がい置き届く環境作りに努めておりますが、最終的に子供達の安全を守るのは我々スタッフです。この当たり前のことを常に意識し、これからも子供達と接していきたいと思います。
幸いにしてKnock Knock Preschool は2013年の開園以来、園児が病院に搬送されるような重大な事故は一度も起きておりません。これは単に園スタッフの努力ではなく、保護者の方々の協力があってこその結果であることは間違いありません。
今後も保護者の方々との連携を深め、園の安全な運営を継続していきたい思います。
ご協力をよろしくお願いいたします。